各種事例
- Michio Takahashi
- 2024年7月14日
- 読了時間: 5分
最近持ち込まれるのはアンプだけでなく、パワードスピーカー、
エフェクター(ペダル)、エフェクター(ラック)、楽器、
あとはちょっと範囲外の諸々の機械類、が意外と多いような気がします。
そういったものの事例を紹介したいと思います。
まずはアンプから。
上段左から始めますが、1つ目はポストフェイズインバーターマスターボリューム、の組み込みです。
こちらはフェイズインバーター段の歪みを有効に活用するもので、音量を下げても歪み感が落ちません。
その右、こちらはODチャンネルの総入れ替えです。
クリーンはいいんだけどODchの音が気に入らない、ということで新たに基板を作成し組み込んでおります。
3つ目はこちらもODチャンネルのmodで、もう少し滑らかな感じにしてほしいということで、オリジナルの回路に変更を加え、かつ、切り替えスイッチを設けて元の状態とmod状態を切り替えられるようにしたものです。
4つ目は最近ものですが、AC30C2のノーマルchは実はブライトchの設定になっており、使用するギターによっては高音が耳につく感じになります。
そこで単純にハイパスコンデンサをカットしております。
ブライトスイッチを設けて切り替え可能にすることもできます。
下段1枚目、こちらのアンプはトランジスタアンプなのですが、電源オン時のポップノイズ(ボンッ!)がかなり大きめで、とても気になる状態でした。
そこでオーディオアンプやパワードスピーカーなどでよく見かける、電源オンから1秒後くらいにスピーカーを接続する、パワーオンディレイの回路を組み込みました。
2つ目はバッフルの制作です。
オリジナルはMDFのバッフルで、経年劣化によりボロボロになっておりました。
そこで新たにパイン集成材でバッフルを作成、厚みが同じでも材が変わったことにより出音が変わりますので、厚みの違うものを数種類製作し試聴して厚みを決定しました。
ご希望によっては他の材、パイン単板等も可能です。
3つ目は追加したバイアス調整回路です。
通常のアンプでは真空管が2本でも4本でも、バイアスの調整回路は1つのものがほとんどです。
それゆえにパワー管はマッチングの取れたものを入れる必要があります。
こちらの場合、新品の球にも関わらずマッチングがずれており(球はお客様が他店で購入)、このままではアンプ、特にアウトプットトランスが劣化してしまいます。
本来はマッチングの取れた球に交換するべきなのですが、高価な球だということで別な方法で乗り切ることにしました。
それが球ごとに個別にバイアスを調整する方法です。
たまたま基板上に未使用部分のパターンがありましたので、それを利用して新たな回路を組んでおります。
左から1つ目、エフェクターのmodです。
本来はベース用の7バンドGEQなのですが、こちらをギター用の5バンドのGEQに改造しています。
2つ目はちょっと特殊な仕様の特注品です。
こちらは3チャンネルのアンプなのですが、アンプのチャンネルを切り替えた時にエフェクターを自動でオンオフするというものです。
これはMesaBoogieで見られる、内蔵GEQのオート機能を外部機器で実現したものです。
ループにGEQを繋いで使用するのが目的でしたが、機能を考えると普通に繋いだエフェクターでもうまくいきそうですね。
こちらは専用フットスイッチと連携して動作します。
3つ目、こちらはエフェクターのDCジャックの変更です。
この写真だとごく普通のDCジャックに見えますが、オリジナルの状態は表から見ると四角い基板用のものが付いていましたが、ケースには丸穴が空いており、ジャックはその奥にありました。
本来基板用のジャックはケース面とフラットな位置になるように設計するのですが、この機種の場合はジャックがケースの奥に入った状態となっていますので、プラグによっては奥まできちんと入らない状態になっていました。
丸穴を拡大すればプラグがきちんと入るようにはなりますが、内部が丸見えになってしまいます。
そこで基板用のジャックを取り外し、ケース取り付け用のジャックに変更いたしました。
4つ目、こちらはキーボードの電源ケーブル部分です。
元々は本体から直接ケーブルが出ておりましたが、電源ジャックに変更いたしました。
持ち運び等ではケーブルがぶらぶらして邪魔ですが、この方法にすれば大変便利になります。
最後の3枚、左と真ん中はどちらも目的は同じで、キーボードの表示パネルの交換です。
左は元々バックライトの無い液晶パネルだったものを、バックライト付きのものに交換しました。
ステージではバックライトがないというのはかなり見づらいのですが、これで安心です。
中央のキーボードは元々のパネルはELと呼ばれるパネルで明るくて見やすいのが特徴なのですが、このパネルには欠点があり経年劣化で表示が薄くなってしまいます。
年代ものでしたので微かに判別できるほどにひどくなっておりました。
そこでこちらをバックライト付きの液晶パネルに変更いたしました。
同じELパネルがあればそれでも良いのですが、いつかまた表示が薄くなりますし、そもそも入手が難しいようです。
右はプリアンプ内蔵のエレキギターです。
経年劣化によりプリアンプの電解コンデンサーが不良になっていました。
プリアンプ内蔵タイプが出てからだいぶ経ちますので、20年を超えたものはダメになっている可能性があるかと思われます。
エレキベースでもアンプ内蔵タイプは多いですので、できれば一度チェックした方が良いですね。
以上、ちょっと変わった修理&modでした。
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