AC30CC2 オーバーホール
- Michio Takahashi
 - 2022年5月13日
 - 読了時間: 3分
 
AC30CC2のオーバーホールを行いました。
まずはシャシーを引き出して各部のチェックから。
これまでに内部に手の入った様子は無いようです。
トランスに貼られたシールには2007.03の文字、20年目前といったところですね。
球の方ですが、プリは新しそう、パワー管はそこそこ、整流管はいけそうといった感じ。
さて基板を外していきますが、あちこちの面にあるので手間がかかりますね。
まずはプリ管のある基板から始めます。
ここでは電解コンデンサ交換とちょっとしたmodを行いました。
お次はパネルの基板ですが、ここでトラブル発生。
ミニトグルスイッチが4つあり、これらにはドレスナットが使われているのですが、
このドレスナットがネジロックで固定されているんですよね。
で、1個だけですがこれが全く外れない。どうもこのモデル固有の問題点のようです。
色々やってみましたが、最後にとった手段はスイッチを基盤から外すこと。
一旦基板を外した後で、スイッチを取り外すことにしました。
スイッチは中国製のものですが、ここは再利用せずに国産のものに変更です。
この基板ではちょっとしたmodを行います。
今回行うmodですが、ニュアンスをオリジナルのAC30に寄せる、といったものです。
次はリアパネル側の基板を取り外します。
この基板では電解コンデンサの交換はもちろんですが、それ以外に、
製造時のパーツ配置ミスの修正を行います。
症状としては、FX SEND/RETURN を使用するとローがなくなるというものです。
これは一時期のモデルを除く全てのAC30CCに共通の問題です。
最後にパワー管のある基板です。
こちらは電解コンデンサの交換、それとパワー管周りのちょっとしたmodを行いました。
全ての作業が終わったところで目視チェック。
問題ないようですので組み上げて音出しチェック。
元々トラブルのない個体でしたが、作業後も大きい変化は無いようです。
変わったといえばmodの効果でしょうか、normal ゲインが少し上がっているようです。
volume の設定で、以前よりも多くのクランチが得られるようです。
従って元々と同じレベルにするには、volumeを気持ち下げ気味にすればいい、
ということになります。
これで今回のOH作業は完了です。
さて最後にちょっとしたtipsです。
このアンプにはスタンバイスイッチが付いていますが、これは使用しない方がいいようです。
回路的な問題のようで、これを使用した場合に突入で整流管に負荷がかかるようです。
その結果整流管の悪影響(主に寿命)が出るようですので、このスタンバイスイッチは
常にONにしておく方がいいとのことです。
真空管アンプを使用する場合、普通はスタンバイを使うのですが、このモデルだけは別。
ちなみにこの後のモデルのC2になると、整流管ではなくダイオードになるので
この問題は起きません。





































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