SEND - RETURN ②
- Michio Takahashi
- 2023年10月18日
- 読了時間: 3分
引き続きSEND - RETURNについて。
前回の内容で、そもそもパラレル・シリーズのあたりからわかりにくい
ということでしたので、予定変更してまずはこちらから。
まずエフェクターというのは2種類あるかと思います。
一つは原音にエフェクト音を追加するもので、例えばリバーブやディレイなど、原音とエフェクト音の両方が聞こえるものです。これに関してはパラレル接続でもシリーズ接続でも問題ありません。
もう一つは原音を直接加工してしまうもので、例えば、コーラスやトレモロなどですね。こちらのエフェクトでは出力音に原音が要らないことから、シリーズ接続専用でパラレル接続はどちらかというと不向きということになります。
なぜ不向きだったりするのか。
それは、原音がどこを通りどこでMIXされるのか、ということと関連してきます。

SEND端子からEFXのINへ、
EFXのOUTからRETURN端子へ、
LOOPを使う基本的な接続です。
シリーズ接続はこの見た目通りの接続と一緒ですね。原音はSENDから出てEFXに入り、EFX音が生成され、さらにEFXで原音とMIXされて、RETURNからアンプに戻ります。見た目通りの接続なのでわかりやすいということ、オンオフもできるし、EFXのつまみを手元(足元)でコントロールできることも利点です。一方欠点もあり、原音が長いケーブルを行き来するため劣化しやすいところや、EFX内部でバランスをとるため相対的に原音レベルが下がることです。もっとも下がった分はアウトプットレベルで調整すれば良いのでさほど問題にはなりませんが。

一方のパラレル接続ですが、見た目上はシリーズ接続と何も変わりません。原音はSENDから出されEFXを通ってエフェクト音となりRETURNからアンプに戻ります。違う点はアンプの内部にあります。
原音はアンプ内部でSENDの部分からRETURN端子方向に向かい、FXMIXを挟んでエフェクト音とMIXされパワーアンプに向かいます。一方、EFXからはエフェクト音が出され、RETURN端子を通ってFXMIXで原音とMIXされます。つまり、原音とエフェクト音はアンプ側で必ずMIXされます。この場合、EFXから原音も出力してしまうと結果的に原音のレベルが上がってしまいます。つまりEFXから出力されるのは100%エフェクト音である必要があり、EFXは常にオンで使用する必要があります。仮にオフにしてしまうとEFXから原音が出力され、それはアンプに戻って内部の原音とMIXされてしまいレベルが上がってしまうからです。
こうしてみると制約の多いパラレル接続ですが利点もあります。それは、原音はアンプ内部を通りエフェクトループの長いケーブルを通らないので、原音の劣化が少ないということです。
こうしてみると、パラレルは音的に有利だけど使いづらい、シリーズは見た目通りで使いやすいが音の劣化は避けられない、と言ったところでしょうか。
多くのアンプはシリーズ接続ですが、一部のアンプはパラレル接続となっているようです。
また、これらの接続方式を切り替えるスイッチのついている機種もあります。
続く...。
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