SEND - RETURN ③
- Michio Takahashi
- 2023年10月20日
- 読了時間: 4分
引き続き SEND - RETURN のお話しです。
このままレベルのお話にしようかとも思ったのですが、その前に
肝心のアンプの方を見てみたいと思います。

まずはこれ。
JC-120の初期型ですね。
現行のものにはSEND-RETURNがありますが、この初期型のものにはありません。JCにはEND-RETURNがあるはず、との思い込みは危険ですね。
ただ、このモデルは現行とはちょっと音が違うということで、一部の方々には非常に人気が高いようです。

こちらが現行型のJC-120です。
LINEOUT R - L(MONO)、
CH2 EFFECT LOOP
RETURN R - L(MONO)、
LEVEL +4dBm -20dBm
SEND
LOOP SERIES - PARALLEL
と、端子やスイッチが並んでいます。
LINEOUT、こちらはEFX LOOPとは関係なく、パワーアンプ直前の出力となります。
関係があるのは CH2 EFFECT LOOP のところですね。
ここに CH2 とある通り、JC120ではCH2にのみエフェクトループがあります。CH1にはエフェクトループはありませんのでお間違えないように。 RETURN R-L(MONO)ですが、こちらがリターン、つまりエフェクターの出力をつなぐ端子になります。R-L(MONO)とあるように、リターンはステレオまたはモノラルで戻ることができます。ちなみにモノラルの場合はLのところに戻すようにしてください。
LEVEL +4dBm -20dBm、こちらは入出力のレベル切り替えスイッチになります。ここも分かりづらいところなのですね。一般的なところでいうと、+4dBmはプロ向け機材の入出力レベルで、ここではラックマウントタイプのエフェクター等を繋ぐ場合にはこちらに切り替えます。-20dBmはコンシューマー向けの機材またはペダルタイプのエフェクターのレベルとなります。正確にはこの2つの種類の機材のレベルは違っているのですが、この場合は同じものとして扱い、レベル差は機器側でコントロールするということになります。
SEND、ここは簡単ですね、エフェクターの入力とつなげる端子です。
最後の LOOP SERIES - PARALLEL 、こちらは前回解説した部分になります。リターンにミックスボリューム等はありませんので、通常はSERIESで使うことが多いかと思います。
最後に色々なアンプごとの端子部分を見てみましょう。
1つ目はちょっと複雑な感じですね。EFX-LOOPというよりはその前の時代、プリアンプとパワーアンプのジャンクションといった感じです。POWER AMP INが1-2の2つあることから、パワーアンプはステレオであることがわかります。PRE AMP OUTにはWETとDRYとあり、DRYは通常の出力、WETはアンプ内蔵のエフェクトを通った出力となります。レベルですが1V(0dBV)との記載がありますが、これはラックマウントタイプの機材にマッチしています、
2つ目はSEND LEVELとMIX LEVEL、SEND-RETURNの端子があります。MIX LEVELがあることでも分かるかと思いますが、こちらのループはパラレル接続になります。レベルの記載はありませんが、マニュアルにはラックマウント用となっており、かつ、SEND LEVELによってペダルタイプにも合わせることができるようです。ただし、ペダルタイプを使った場合はRETURNのレベルもそれになりますのでマスターボリュームを挙げて対処する必要があり、その分ノイズが増えてしまうのは避けられません。
3つ目はリアパネルではなくフロントパネルにSEND-RETURN端子があるアンプです。
アンプ本体にもまたマニュアルにもレベルの記載はありませんでしたが、フロントにあることとサイズの小さなアンプであることからおそらくはコンシューマー向け機材やペダルタイプに合わせてあるのではないかと推察されますが、実際に繋いでみないことにはよくわからないタイプです。端子のみの構成なのでおそらくはSERIESだと思われます。
4つ目のアンプには、LEVEL -10dB +4dB、SEND、RETURN、LOOP BYPASS ON-OFFがあります。LEVEL は入出力レベルの調整、SEND-RETURNはそれぞれエフェクターと接続になります。最後のLOOP-BYPASS ON-OFFはエフェクトループを使用する、使用しない、というスイッチになります。このLOOP-BYPASSスイッチですが、これはなぜあるのでしょうか?
例えばシリーズ接続、ここに何も繋がない場合は音が出なくなるはずですよね。でもそんなことはなく、ちゃんと音が出ます。それはSEND-RETURNのジャックの内部にスイッチがあり、ジャックに何も繋がっていない時にはSEND-RETURNの端子を内部的に繋いでくれるからなんです。ところのがこのジャック内部のスイッチ、使っていないと接触不良を起こし内部接続が切れてしまうことが多いんです。そこでこのLOOP-BYPASSスイッチの出番、ここで通常のスイッチを使ってループを内部接続してやることでトラブルを避けようということです。接触不良なんて、とお思いの方もいらっしゃると思いますが、これってかなりメジャーなトラブルなんですよね。このスイッチが無くともパッチケーブルでSEND-RETURNを繋げてしまえば同じことですが、常々パッチケーブルを準備していなくてはならないのがちょっと面倒です。
今回は実際のアンプを見ながら解説してみましたが、どうだったでしょうか。
実はまだまだよくわからない部分も多いのではないのかと思います。
次回はそんな部分をもう少しお話ししたいと思います。
続く...。
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