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SEND - RETURN ④

  • Michio Takahashi
  • 2023年10月31日
  • 読了時間: 4分

引き続きSEND-RETURNのお話です。

予定ではレベルのお話をするつもりでしたが、

先日行ったイベントで質問を受けましたので

予定を変更して進めていきたいと思います。

こちらの表が今回のお話です。

手元にあるギターアンプの特定の諸元を一覧にしたものです。

注目するのは loop種別と接続順の部分です。

loop種別はそれぞれのアンプのエフェクトループが、シリーズなのかパラレルなのか、

また、それらの特徴が書かれています。

こちらはまだわかりやすい方ですね。

接続順ですが、こちらはアンプ内部の構成、そしてエフェクトループがアンプの回路の

どの部分に位置しているのかを書いたものです。

文字だとちょっとわかりづらいですよね。

ということで図にしてみました。

ただし今回の図ではレベルに関しては省いてあります。


たとえば一番上のJC120ですが、2chから入った信号はampで増幅され、toneで

音質を加工され、Volumeで音量が決まります。

次にSEND端子からエフェクターに行き、RETURN端子からアンプに戻ってきます。

戻ってきた信号はinternalFXでエフェクトがかけられ、パワーアンプに入り、

スピーカーから音となって出てきます。

この図からわかるのは、エフェクトループは2chだけでしか使えないこと。

トーンとボリュームで音質と音量を決めた後でループに入ること。

ループの後ろに内蔵のエフェクトがあること。

全体のボリュームはループ内のエフェクターで再設定可能であること、です。


2番目のJCM2000もほぼ同じ構成ですね。

この2台のアンプは日本では割とメジャーに使用されているアンプなので

構成が同じであることは使う上では割と楽だと思います。


3番目と4番目ですが、こちらは上の2台とは構成が違っていますので

ループを使用する場合やリターン差しする場合には注意が必要です。


3番目はDualRetifierです。

特徴的なのはループがパラレルになっている点と、FxSendLevelとFxMix

というレベルやミックス用のボリュームがあることです。

また、全体の音量を決めるOUTPUTはマスターボリュームに相当しますし、

その下には特徴的なSoloスイッチとボリュームがあります。

パラレルで調整箇所が多いことから、ループとして使用する場合であっても、

リターン差しで使用する場合であっても、正しい設定にしないときちんと

音が出ないなどのトラブルが起きやすいです。


4番目はJTM30です。

同じマーシャルでもJCM2000とはだいぶ違いますね。

Inputから入った信号はアンプで増幅され、chVolumeで音量が決まります。

そして次にループに入ります。

戻ってきた信号はinternalReverbに入り内蔵エフェクトがかけられ、その後、

toneで音質を補正されて、MasteVolumeで全体の音量が決まります。

あとはPowerampで増幅されてspeakerから音となって出ていきます。

ループの後で内臓のリバーブに入るのは、他のアンプと同じです。

しかしそのあとで音質や音量を決めることができる構成になっています。

この構成で1番の目玉と言えるのは後ろにあるtoneです。

inputからループまでの間では、他のアンプにあるような音質の調整はできません。

アンプ直であれば、ギターの音色に加え、メーカーがアンプに設定したトーンになります。

ギターからエフェクター、そしてアンプという状態であれば、さらに

エフェクターのトーンが加えられることになります。

従って音の基本的部分、クリーンはもちろん、歪みでもその歪み方やトーンニュアンスは、

事前に作っておかないといけません。

それがループに送られ、戻ってきてリバーブが加えられます。

そしてtone、ここでは最終的な出音の調整を行うことができます。

この位置にあるイコライザーといえば、MesaBoogieの一部のアンプについている

グラフィックイコライザーが同じ構成です。

低音と高音を上げて中音域を下げる、いわゆるV字のドンシャリサウンドが

とても有名ですね。

同様にこのアンプでは元の音のニュアンスを残したままで、低音のレベルを

上げ下げしたり、高音の出具合を調整したりすることができます。

ちなみにJCのようなアンプでも、エフェクトループの最後にグラフィックイコライザーを

入れることによって同様の効果を得られるのですが、あまり知られていないためか

やっている方は少ないようです。

そして全体の音量をその後で調整できるのもとても便利な機能です。

音量設定がループの前にある場合だと、音量によってループ内のレベルが変化するため

エフェクターにとって最適な信号レベルが得にくいという問題があります。

しかしこのような構成の場合は、ループから戻った後で音量を調整できるので

その問題から解放されます。

また、リターン差しの場合でもこの構成は便利に使えます。

RETURNから入った信号は、内蔵リバーブ、tone、masterVolumeを通ります。

リバーブはともかく、toneでさらに出音を補正したり、音量もつまみで1発です。

この構成のアンプは非常に便利なのですが、私が知っている限り他には1機種、

旧いMAXONのGX100だけです。

メーカーさんにもちょっと考えて欲しいところですね。


さて、次回こそはレベルの話に行きたいと思いますが、あれって難しいんですよね。

もしかしたら数回に分けることになるかもしれません。

続く...。

 
 
 

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