修理:VOX AC30 30th LE
- Michio Takahashi
- 2024年3月1日
- 読了時間: 2分
修理事例です。
こちらのアンプはVOX AC30 30th Anniversary Limited Edition、まあ長い名前ですが、
限定モデルで背面には専用のプレートが取り付けられています。
症状は、特定チャンネルで音が出ない、音量が変化する、トレモロがおかしい等々。
開けてみてわかったことは、入力基板とメイン基板を繋ぐ部分に手が入っている、
基板全体が接点復活剤でベタベタになっている、というものでした。
まずは手の入っていた部分ですが、こちらに配線ミスがあり音が出ない原因でした。
そしてベタベタの基板、こちらは一旦基板を取り外して洗浄作業、通常は1回行うと
きれいになるものなのですが、こちらの場合は5〜6回やってなんとかと言った状況。
blogでは以前から何度も書いておりますが、接点復活剤は基本使用しないで欲しいです。
まあ使用してもいいんですが、間違った使い方の方が大半なんですよね。
基板がきれいになったところで各部チェック、あちこちの抵抗の値がおかしいです。
ボリュームポットなんかも値が変な感じですし、電解コンデンサも膨らんでいます。
こちらはそれぞれ交換やクリーニングで対処しました。
おおよそ作業が完了したところで一旦組んで音出しチェックです。
ですが...、なぜかチャンネル間で音漏れがあります。
回路図と見比べて再度基板のチェック、どうも真空管のソケット周りが怪しい感じです。
一旦バラして真空管のソケットを取り外し、するとソケットの下にわずかな油溜まりを発見。
どうやらこれが音漏れの原因だったようです。
またしても基板洗浄、取り外したソケットも単体できっちりと洗浄しました。
再度組み上げてチェック、やっと正常な状態となりました。
残るは作業中に気になった部分、電解コンデンサと基板の焼けですが、こちらは交換
および熱対策を実施いたしました。
そして最終音出しチェック、本来の音が無事に蘇りました。
これからはまたこのアンプでガンガンライブなさってくださいね。
N澤様、ありがとうございました。
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